2025ドイツ・オーストリアの旅⑤バッハウ渓谷

ゆっくりと市内を見学した翌日は、電車に乗ってウィーンからメルクに行きました。メルクからドナウ川クルージングをしたいと思ったのは、メルク修道院を見学する為です。1770年マリー・アントワネットがフランスのルイ16世のもとに嫁ぐ時、途中この修道院に一泊したという話を若いころ何かで読んで覚えていた事も一つの要因です。
駅を出るとすぐ目の前にメルク修道院が見えてきます。
坂道の途中は名産のアプリコットジャムやジュースなどのスタンドや、お店が沢山並んでいます。
看板を見ながらのんびりと緩やかな坂道を登っていきます。
内側に入ると華麗で壮大な建物に圧倒されました。
内部は「バロックの宝石」と言われると説明されていましたが、その通りだと思いました。
テラスから街を望み、丘の下へ降りてからも暫く見上げていました。
街を歩いていると、アプリコットジャムがたくさん販売されていました。昔からこの街の自慢の特産品なのだなと思いました。ザッハトルテなどにアプリコットジャムが使われている理由も納得するものが有りました。メルク修道院のショップにも沢山販売されていました。一番小さな瓶入りのジャム(フルーツスプレッドと表記されています)を購入しました。
「バッハウ渓谷マリレ」と表示されていました。この辺りではアプリコットを「マリレ」と呼ぶ習慣が古くからあるようです。「バッハウ渓谷のマリレ」は原産地の表記が守られているようです。あ・・・もっと大きな瓶を買って来ればよかった(^^ゞ
メルク修道院を後にして、徒歩でドナウ川下りの遊覧船乗り場に行きます。
メルクからクレムスまではドナウ川流域で最も美しいと言われています。2時間弱の船旅ですが途中デュルンシュタインにも寄ることにしました。お天気も良く景色を眺めながらの船旅となりました。
後に見えるのはぶどう畑と麓の街並みです。2日間ウィーンの旅に付き合ってくれた娘にも感謝です。ワインの産地を通ると船上でも飲みたくなりますよね。当店のお客様がライン川クルーズに行き、船内で甘いワインを飲んで以来甘いワインのファンになる方が多いのも納得します。
私たちはバッハウ渓谷で出来た辛口のワインを楽しみました。
ガイドブックに「知っておいてね」と書いてある、ウィーンのカフェには日本式の「アイスコーヒー」は存在しないという事です。メニューには「アイスカフェ」とありますが、それはアイスクリームとホイップクリームが乗ったコーヒーフロートの事です。旅のはじめからずっと共ににいてくれた彼女「私冷たいアイスコーヒーが飲みたい!」と思って注文して出されたのがこちらです。
「あ~らぁ!こんなのが出てきた」豪華で美味しそうですが、今飲みたい飲み物のイメージとは随分違っていたようです。ガイドブックにある通りだね、とみんなで楽しく話しました。
こちらは遊覧船を途中下車して少しだけ歩いたデュルンシュタインの街です、人口800人の小さな街ですがゆっくりとしたい町でした。
ワインとアプリコットのお店が沢山ありました。
小さくなりましたがブルー修道院教会の塔がきれいな街でした。
船は最終目的地のクレムスに到着しました。
ここはクレムス名産のマスタードとワインの深い関係が解るらしいのですが・・・クレムスから電車に乗ってウィーン市内に戻る予定なので、クレムス駅を探すのが目的になりました。船乗り場と駅は1.5KM離れていて地図を片手に歩きました。
駅が見えた時は、間に合った!やれやれ!が先に立ち街の様子を覚えていないのです(^^ゞ
予定通りに市内に帰り、無事にウィーンの旅を終えられた事に感謝しました。娘は帰国私たちはドイツの旅が続きます。
次は⑥フランクフルト市内を観光や、トウリァーに移動してワインの仕事の様子を書きたいと思います。

2025ドイツ・オーストリアの旅③ルスト醸造所見学

9日(月)はウィーンの郊外ルストという街でワイン造りをされている、Weingut Eberherrさんを訪ねる事にしていました。山口EU協会での交流の中で、「オーストリアにも良い生産地があります。バッハウ渓谷やノイジートラー湖西岸の中心地ルスト等々ありますよ。」と聞き、生産者さんのご紹介もしていただきました。今回はルストにあるWeingut Eberherrさんとのコンタクトが取れてお伺いすることとなりました。
私たちは電車とバスを乗り継いて行くことを伝えていましたが、お父さんのAlexanderさんがウィーンのホテルまでお迎えに来てくださいました。
途中に是非お見せしたい場所があると言って案内された街はアイゼンシュタットです。ここはブルゲンラント州の州都で、ハプスブルグ家の重臣だったエスターハーズィ家の美しいお城があります。ヨーゼフ・ハイドンが宮廷音楽家として仕えていました。綺麗なお城です。
毎年開かれている音楽祭の様子や、日本からもハイドンを学びに来る方があると話してくださいました。
案内をしていただく中で、私たちを紹介くださった日本でEUのお仕事をしている方と、自分は音楽活動仲間だと楽しそうに話してくださいました。

お城を後にするとまもなく Eberherrさんのお宅に到着しました。
到着後、直ぐに畑を案内してくださいました。
水平線のように見える所は、ノイジートラー湖です。野鳥の保護区でもありその自然の美しさで、ユネスコの世界遺産にも登録されています。この街には毎夏コウノトリが地中海から渡ってきます。向こうに見える湖の対岸はハンガリーです。湖に面して沢山のぶどう畑が広がります。ガイドブックで見ると人口は1980人です。お聞きしたところによるとこの街には100件のぶどう農家があるそうです。
今のぶどうの様子です。
ご自身の畑について丁寧な説明を受けました。この畑に行って今までと異なると思ったのは、木と木の間がとても広い事です。それは風通しと日当たりを良くして、病気に強い良いぶどうを作る為だとお聞きしました
畝と畝の間に植えられた植物も、病気や虫よけになるものを選んで植えてあるそうです。

50年間は除草剤や農薬は使っていないそうです。木の成長のために肥料は与えていると話されました。
林業を学び奥様のご実家のぶどう農家を継承されたそうです。6ヘクタールに白ワイン用、同じく6ヘクタールに赤ワイン用のぶどうを栽培されています。Alexanderさんはこの日午前中は畑仕事をして、その後私たちを迎えに来てくださったようで、恐縮してしまいました。
畑はお父様が案内をしてくださったのですが、地下にある蔵で醸造の様子は息子さんのJörnさんが説明をされました。
木の樽についても丁寧に説明をされました。現在は彼が中心に蔵を運営していると、お父様は嬉しそうに話されていました。

試飲をしましょうと案内されました。私自身はオーストリアワインに接する機会が少なく何も知らないのが現実です。私はこの日はオーストリアの代表的な品種のワインをせめて3種類を知ることが第一の目的で、沢山の内容は覚えられないと正直に伝えました。沢山伝えても混乱しますよね、と優しく納得していただきました。
ご自宅はホイリゲになっています。畑や醸造のお仕事が暇になる季節だけ運営をされているようでした。生活のリズムの取り方がとても興味深いものでした。
そして息子さんのJörnさんがウエルカムドリンクを準備してくださいました。
乾杯の後は和やかにお話をしました。後半は1歳のお孫さんとJörnさんの奥様も加わってアットホームな空気で一杯でした。山口市の観光パンフレット(英語版)と大内塗のキーホルダーをお土産に持って行きました。
日本でもゆっくりと味わいたいと思っています。終了後はまたホテルまで送って下さり、私たちのために長い1日を共に過ごしていただき感謝の気持ちでいっぱいです。
日本の皆様とWeingut Eberherrさんのワインを楽しむには沢山のハードルがあります。ゆっくりと待ちたいと思いました。

さて次回④⑤は娘家族と合流して過ごした2日間をお伝えします。