ドイツワイン産地紹介

ドイツワインを一口で表現すると、爽やかで軽やかです。
香り豊かなワインは他の国とは異なったドイツの気候によるものです。
ブドウ栽培地としては世界の北限に位置していますが、メキシコ暖流のために比較的高い気温が保てています。
ぶどうの成熟に時間がかかりますが、高品質のワインを造るために収穫の時期を他の国々より遅らせています。
ゆっくりと完熟させることで果実味豊なドイツワイン独特の味が生まれています。
長い期間、樹に実ったままにするので酸味や甘味など果実味の調和が生まれます。
ぶどうが栽培できるぎりぎりの土地で生まれるドイツワインは、辛抱強くじっくり熟したぶどうから生まれる凝縮した味と香りがし ます。
指定された生産地域が13あります。
それぞれの土壌に特徴があり、それぞれの個性があります。
ワインの等級は、主にぶどうの収穫期と果汁の糖度が元となって分類されています。

●モーゼル地域
モーゼル川・ザール川・ルーヴァー川の三つの川の流域に広がる、ドイツを代表するワインの産地です。
伝統的に知名度の高いリースリング種が多く栽培されています。
ゼクト(スパークリングワイン)の醸造も伝統的な手法で作られることでも有名です。
オーバーヴィーゼで扱うモーゼルワインは、モーゼル・ザール・ルーヴァーワイン生産者協会会長アドルフ・シュミット氏との長い交流が出発点になっています。
ローマ時代からの街トゥリアー市のワインを中心に扱っています。

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●フランケン地域
特別な栽培地域です。胴の膨らんだ形の瓶で知られるボックスボイテルを生産する地域です。
オーバーヴィーゼで扱うビュルガーシュピタール醸造所は「聖なる市民施療院」です。
1319年ヴュルツブルクの富豪ヨハネス・フォン・シュテレンにより慈善院として設立されました。
現在も養老院として多くの方が余生を送っていらっしゃいます。この醸造所での試飲会の時、ワインの美味しさに感動すると共に「どんな人も一日の終わりを感謝し、一杯のワインを美味しく飲める暮らしをして欲しい」との言葉に胸を熱くしました。
以来ずっと交流をしていますが、この言葉のもつ意味の奥深さを思っています。

●バーデン地域
ドイツで三番目に大きいワイン生産地域です。
南北に長いこの生産地域はタウバーからボーデン湖まで400キロメートル以上にも及びます。
バーデン地域の年間平均気温は特に高く、13あるドイツのワイン生産地域の中でも唯一、EUが定めたヨーロッパのワイン生産地気候区分のBゾーンに属しています。
Bゾーンには、他にフランスのアルザス地方やサヴォア地方、ロアール地方も含まれています。
カイザーシュトウール地区の南斜面、アッハカレンやイーリンゲンには、ドイツで最も暖かいとされている地点が存在します。