⑫私にできる事とは

       今までも、今回の旅行でも大変お世話になった

シュミットさんの会社SMW社の建物です。

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1905年に建設された、ドイツ最古の鉄筋コンクリートの建物です。

文化財に指定されています。

SMW社とはザール・モーゼル・ヴィンツァーゼクトの事です。

出来の良いワインに、酵母を入れて寝かせます。

その後、酵母を抜いてゼクト(スパークリングワイン)を造る会社です。

ケラーの中で静かに寝かされています。

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古いワインもあちこちに寝かされていました。

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酵母を抜くために、瓶の口に酵母を集めます。

その作業台はこのようになっています。

この台に立てて、手で回して酵母を、瓶の口まで持っていきます。

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私も少しだけ回してみましたが、とても重いです。

このようにして酵母を抜きます。

「ポンポン」と大きな音がします。

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金具をかけて出てきます。

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最後は一本一本、人の目で確かめられます。

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そして出来上がり。

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天井や壁にはお掃除をしたくなるほどの蜘蛛の巣があります。

この蜘蛛の巣があると、小さな虫たちが

引っかかっていくそうです。そうすることで

消毒など薬を使う必要が無くなるのだそうです。

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自然に逆らわず、理にかなっているなと感心します。

地下室を上がって、ミーティングルームに行く途中に

発見!!クリスマスボトルワインです。

一昨年は沢山輸入して、皆さんに喜んで戴いたものの

昨年は私たち二人とも体調不良で、発注が出来なくて

お客様にとても申し訳なく、ご迷惑をおかけしました。

今年は何とか少しでも仕入れて、

昨年のお詫びがしたいと思っています。

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この気持ちをシュミットさんに伝えると

今年は某大手企業が大量に買い付け

今年の在庫は何もない、と言われました。

とても残念な気持ちになっていると

「一つだけ提案がある、何もかもが他と同じではなくても、

Oberwiese  Style で良いのであれば、

あなたのお客様のために、準備をしましょう。」

その提案内容に本当に驚きました。

その提案を有りがたく、嬉しく受け入れ、

ミーティングルームに向かいました。

勇気を出して質問をしました。

「モーゼルに来てから、とても良くして戴きました、

私たちは大きな取引をする事が出来ない

とても小さな酒屋です。

商談としては少額な私たちを

こんなに大切にして下さる理由は何でしょうか?」

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「それは、あなた達は私たちのワインを買って飲んでくださる

お客様一人ひとりの顔を知っているからです。

それはとても大切で、重要な事です。」

その言葉を聞いて、私たちなりに無理をしないで

お客様と共にドイツワインを楽しんでいこうと思いました。

不思議と肩の荷が降りたような、

ほっとした気持ちになりました。

秋の地域のお祭り「アートフル山口」はhttp://artfull.sblo.jp/

皆様と共に楽しく、秋のひと時を楽しみたいと思います。

約二週間本当にいい旅でした。

⑩愛されるワインの畑Ⅱ

地図モーゼル2フィルツエンに行きました。

とても見にくいと思いますが、Trier(トゥリア)の左下あたりです。

この畑を訪れるのは13年ぶりです。

「ホッホ~」のリースリングホッホゲヴェックスや

「ハチドリ」「シュミットセレクション“S”」で

お馴染みのワインの故郷です。

お家の直ぐ傍に、サクランボの木がって

アメリカンチェリーのような色の濃いサクランボが

たわわに実っていて、たくさん食べた記憶が蘇りました。

その向こうにぶどう畑がありました。

今回お伺いすると、サクランボの木の傍に

素敵な建物が建っていました。

小雨が降り霞んでいますが、右側はぶどう畑です。

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中に入ると皆さんの笑顔で溢れていました。

週末には地域の方たちの憩いの場所となる、

レストランが半年前にオープンしていました。

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ここでお食事とワインを戴きながら、

心に沁みるお話を伺いました。

シュミットさんは、

「喜んでお客様と接することができるか?」

「人生には自分の“するべき事”が必要だよ」

「人生の質を上げなさい」

そして「自分はケラーで働く仕事に満足をしている

生きている意味を感じている」と言われました。

最初の問いかけの、「喜んで・・・」はその通りと

答える事が出来ますが、あとの二つは

常に問いかけ続けるテーマであろうと今も思います。

その後、お客様に人気がある畑、

Wiltinger Scharzberg(ヴィルティンガー シャルツベルグ)へ

案内していただきました。

地図では左下、半分囲んである所です。

ここは広い範囲の畑である事と、

エゴンミューラー家のシャルツホフベルガーの話は

とても興味深かったです。

実は恥ずかしながら、エゴンミューラ家は

「聞いたことはある」その程度だったのです。

世界で一番高値がつく、その理由の一つが

畑の場所です。シャルツベルクの一番いい場所を

「シャルツホフベルガー」として

エゴンミューラー家は登録したのです。

そのすぐ傍の畑で出来たワインが「美味しい」と

お客様の人気となっていたのです。

ワインは「畑」と「作り手」と「品種」と言われる訳ですね。

村から少し離れたところにあるエゴンミューラ家です。

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「グリーンのボトルのあのワイン」のお話は

明日にします。