2025ドイツ・オーストリアの旅⑨フランクフルトから帰国

いよいよ最後の回となりました。帰国の便は20時ですから、半日程度はフランクフルト市内を見学できます。私たちは迷わずにゲーテハウスに行きました。10年前にも訪れていたのですが、何度訪れても新しい発見があると思っているからです。
当店のゼクト「DICHTER  TRAUM詩人の夢」の詩人とはゲーテの事です。毎日ゲーテを見ながらお仕事をしているわけです。ラベルの赤いリボンの間に描かれた絵は、ゲーテ自筆の「自由の木」です。詳しくはお店で直接お話をしましょう。
ゲーテは18世紀当時フランクフルトでも屈指の名家に生まれました。この生家は第二次世界大戦の爆撃でほぼ完全に破壊されたのですが、戦後忠実に再現されました。調度品などは疎開させてあり戦災を免れたそうです。この画像は、花が咲き鳥も鳴いていて、ベンチもある中庭から見上げたものです。
ここはゲーテが生まれた部屋です。
調度品で10年前と同じく、私にとって興味深いのは天文歴もある大時計です。きちんと今日の日にちが刻まれていました、現役で働いています。
下の方に目をやると繋がれた熊がいます。この熊が横になるとネジを巻かなくてはいけません。
この熊、何とも可愛いのです。
SMW社のパンフレットに記載されている社の歩みの欄外に「知るだけでは十分でなく、それを用いなければならない」「望むだけでは十分ではなく、それを行動に移さなければならない」ゲーテ(1796年)と書かれてあります。パンフレットをお客様に差し上げた後、自分もサッと目で追うのですが十分ではありませんね(^^ゞ

ゲーテハウスを見学した後は、遅いお昼を軽く取ったり買い物忘れなどを済ませたりしてフランクフルト中央駅から空港に向かいました。
しかしどうした!ドイツ鉄道、という事態に遭遇しました。30年近く前から行っているので列車が遅れる、突然のキャンセル(運休)表示には驚かないのです。しかし3本も4本も続けて来ない、表示も何だかよくわからない、などという事はかつては無かった事です。時間にゆとりを持って行動しているので、飛行機に間に合わないという事にはならないのですが、チョットだけ私は不機嫌になりました。
やって来た列車はぎゅうぎゅうの満員電車でした。やっと乗り込むと夫の肩をポンポンと合図して「ビッテ!」席を譲ってくれました。夫は気の良いドイツ人のおっちゃんに感謝して、下車する時にお礼を言うと、胸に手を当てて頭を下げてくれました。それにしても頑張れ!ドイツ鉄道。

無事にフランクフルト空港に到着、荷物も預けチェックインも終わると、にこやかに〝SAKURAラウンジに行って出発までゆっくりしてくださいね〟と言われ地図を示してもらいました。
何時もは免税店に行ったり、ゲーテ像の前でビール飲んだりしているのですが新しい体験です。
入り口は成田と同じでしたが、お料理はドイツらしい品揃えでした。
ポテトサラダ、サラダ菜、ラウゲンステックパンに現地のビールを頂きました。SAKURAラウンジの名物?カレーもあり少し頂きました。

若いころ?は搭乗前にビールを飲み、機内食が出るとまたビールを飲んだものです。今回はプレミアムエコノミーですから、スパークリングワインも飲めるしビールも勿論準備されています。しかし歳を重ねると旅の疲れ等で機内でアルコールが原因の体調不良になってはいけないとアルコールフリーにしました。隣で夫はエッ!と言う顔をしていましたが、あっさりウーロン茶にならない辺りが、自分は吹っ切れていない証拠だと思った次第です(笑)
「うどんですかい」を食べる気満々だったのですが・・行きも帰りもその食欲はありませんでした。

帰国して以来、何人もの方から「飛行ルートはどうなってましたか?」と尋ねられました。成田→フランクフルトについては旅日記①で書いているのでカットします。座席前のモニター画面で飛行ルートを携帯カメラで記録していたものをアップしましたので参考にしてください。
フランクフルトからウィーンを通り、ルーマニアのブカレストから黒海を通ります。
ウルムチ周辺を通過・・。

 

北京の北側ですね。

この後の画像は無いのですが、韓国上空から能登半島を通って成田空港でした。
紛争地帯を避けながら飛行している事がわかります。これで12時間半の飛行です。世界は平和でなくてはいけないと思います。

自分たちの体調を考えたり、戦争が始まったり、コロナもありドイツに行ったのは8年ぶりでした。当時難民収容所がぶどう畑のそばに出来る、などの話を聞きました。その後の話を詳しく聞く機会はありませんでしたが、街を歩いたり乗り物に乗た時など10年前とは異なった風景も見えました。

おかげ様で元気に楽しい旅をして帰ってきました。長年のお付き合いについては感謝と感動を頂き、新たな出会いは私たちに元気を与えられました。我が家では次にドイツに行く機会が与えられたら、どのような旅をしてみたいかという話題に花が咲きます。日々皆様との出会いに感謝して、ゆっくりでも丁寧な店舗運営を心掛けたいと思います。有難うございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2025ドイツオーストリアの旅⑧SMW社

ゼクトを造っている蔵ザール・モーゼル・ヴィンツァーゼクト社(SMW社)へは8年ぶりにお伺いしました。メールで会社の方と交流をしているのですが、やはり直接お会いしてお話をお聞きするのが良いですね。
この会社は「自分たちの地域のぶどうを使って贅沢な飲み物を造ろうと、1983年に創業者アドルフ・シュミット氏の声掛けで始まったのです。」一本一本手造りで行う昔ながらの一番良い方法で造られているのです。
懐かしい玄関の大きなドアをヨイショッと開けて中に入ると、懐かしい蔵の香りがして嬉しくなります。お互いに元気で会えた事を喜び合いました。ともに旅をした甥夫婦は初めて蔵の中を見る事もあり「ゼクトの様子を見ますか?」とアドルフ・シュミットさん自ら地下室へと案内してくださいました。瓶内二次発酵とはワインが入った瓶の中に酵母を入れて、瓶の中でワインを二次発酵をさせるのです。あの綺麗な真珠のような泡はこうして生まれるのです。瓶の中の酵母の様子を実際に見ながら説明を受けました。
酵母が入った瓶から澱引き(役目を終えた酵母を取り除く)のために、伝統的な木で造られた台に入れてあります。職人さんが一本一本手で回しながら、役割を終えた酵母を瓶の口まで集めるのです私はこの風景が好きです。
地下室に沢山のゼクト瓶が並んで澱引きをされるのです。天井に目を向けると沢山の蜘蛛の巣があります。蜘蛛の巣は小さな虫たちを捕まえます。絶対にこの蜘蛛の巣を落としてはいけないと、初めて蔵に来た日に説明を受けて成程と思ったものです。
この大きな箱は酵母を瓶の口まで持っていくための機械です。機械で揺らしながら、酵母を瓶の口まで持っいくのです。
こうして機械で酵母を瓶の口まで集めたゼクトには、瓶の底に印がありません。瓶の底にこの印があると、手作業で酵母を集めたゼクトであることがわかります。
酵母(澱)が瓶の口に集まると、この機械のラインで酵母を抜き栓をして金具をかけます。
オレンジ色のライトが付いた台の上に、澱を抜く準備が出来たゼクトを乗せます。
ポンポンと大きな音を立てながら酵母が外に出されます。最終調整を終えた瓶が真ん中に立っています。
この中でコルクをして、金具をかけて出てきます。
ラベルを貼り付け、金具の上のシールをかぶせて出来上がりです。
出来上がったゼクトは箱詰めがされます。
そして最終確認です。いつもお世話になるクラメスさんが、このようにして私たちのところにも届けてくださるのです。
一通り見学が終わると2階に上がって、試飲と発注に向けての相談をしました。
画像は無いのですがゼクトは全て試飲をしました。
当店で人気の赤ワイン、こんな可愛いラベルになっていました。ウキウキします。
黒猫の座った樽が最もできが良いという、「ツェル地域の黒猫」伝説があります。当店にも黒猫ラベルのワインが人気ですが、今回この猫をお土産に頂きました。帰国と同時にお店にいます。当店の招き猫、黒猫君を見つけてくださいね。
いよいよ次回は最終回、お付き合いをいただき有難うございます。