2025 ドイツ・オーストリアの旅④

娘家族とウィーンで合流して2日を過ごす事になりました。この日はゆっくりとウィーンを見学することになりました。メインはウィーン楽友協会のガイドツァーに参加する事と、美術史博物館で名画をゆっくり鑑賞する事です。空いた時間はその周辺を散策する事にしました。
ウィーン楽友協会のツァーは許可された場所以外での写真撮影は禁止されています。残響のないリハーサル室など普段は目にすることが出来ない場所を見学しました。
撮影が許されていてなおかつ私たちの興味は、音響のすばらしさで知られる大ホール別名黄金のホールです。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートでお馴染みのあのホールです。NHKのFM放送を元旦に一生懸命に録音して聞いていた時代を知る者としては、そこに立っているだけでここがそうなのだ、と隅々までゆっくりと眺めて感激しました。「次に来る時は元旦のニューイヤーコンサートでタキシードとお着物ですね」と夢のような話をしてみました。
穏やかに笑いながらそのような会話ができるのもこの空間ならではと思いました。

音楽の話題で和んだ後は、美術史博物館へ行きました。ゆったりしたソファーがあり休みながら出会えた絵画の前でじっくりと見学しました。
内部は大理石がふんだんに使われ、装飾も美しく絵画よりこちらに目を奪われてしまいます。絵画の撮影が可能である表示があり私も少しだけ撮影をしました。
ブリューゲル「雪中の狩人」です。「バベルの塔」「農民の婚礼」、デューラーやフェルメールなどなど盛り沢山でした。ゆっくりと自分のペースで心行くまで鑑賞しました。
2か所でたっぷりと時間を使いました。それでもすぐそばに訪ねたい場所はたくさんあります。
マリア・テレジア像です。この貫禄に圧倒されながら、日差しの都合で見えにくいのが残念です。

こちらはよくお見かけするモーツァルト像です。王宮の敷地内できれいに手入れがされています。沢山の観光客の方もいらっしゃいましたが、皆さん譲り合いながら笑顔でお礼を言いながら気持ちの良い記念撮影となりました。
喉も渇くしチョッとカフェのテラス席で一休みです。アイスを食べたりビールを飲んだりする中で私はお魚の団子が入ったスープを注文しました。suppeズッペ、スープはメニューで気になると注文するのです。美味しかったです(^_-)-☆
こちらは新王宮の外観です。王宮・新王宮をぐるりと一回りするだけでも見る所満載です。
プラプラと歩いていて、女子の会話はスィーツに向きます。アプリッコットジャムが挟まれていてチョコでコーティングされたザッハトルテを食べたいとなるのですが・・・。
すごい行列でした。ショップに入りギフトも見たのですが、購入はしないでお店を出ました。
すぐ近くのデメルも同じように人で一杯でした。甘い香りが外まで届いていました。こちらも見学だけで失礼をしました。
シュテファン寺院の傍も馬車に乗る人の楽しそうな笑顔が印象的でした。
ウィーンは何日いても飽きない街ですし、リンクの中だけでも歴史も深く見る所たっぷりです。時間がもっと欲しいです。
翌日は⑤ワインの産地ヴァッハウ渓谷とドナウ川クルージングをお伝えします。

 

 

2025ドイツ・オーストリアの旅③

9日(月)はウィーンの郊外ルストという街でワイン造りをされている、Weingut Eberherrさんを訪ねる事にしていました。山口EU協会での交流の中で、「オーストリアにも良い生産地があります。バッハウ渓谷やノイジートラー湖西岸の中心地ルスト等々ありますよ。」と聞き、生産者さんのご紹介もしていただきました。今回はルストにあるWeingut Eberherrさんとのコンタクトが取れてお伺いすることとなりました。
私たちは電車とバスを乗り継いて行くことを伝えていましたが、お父さんのAlexanderさんがウィーンのホテルまでお迎えに来てくださいました。
途中に是非お見せしたい場所があると言って案内された街はアイゼンシュタットです。ここはブルゲンラント州の州都で、ハプスブルグ家の重臣だったエスターハーズィ家の美しいお城があります。ヨーゼフ・ハイドンが宮廷音楽家として仕えていました。綺麗なお城です。
毎年開かれている音楽祭の様子や、日本からもハイドンを学びに来る方があると話してくださいました。
案内をしていただく中で、私たちを紹介くださった日本でEUのお仕事をしている方と、自分は音楽活動仲間だと楽しそうに話してくださいました。

お城を後にするとまもなく Eberherrさんのお宅に到着しました。
到着後、直ぐに畑を案内してくださいました。
水平線のように見える所は、ノイジートラー湖です。野鳥の保護区でもありその自然の美しさで、ユネスコの世界遺産にも登録されています。この街には毎夏コウノトリが地中海から渡ってきます。向こうに見える湖の対岸はハンガリーです。湖に面して沢山のぶどう畑が広がります。ガイドブックで見ると人口は1980人です。お聞きしたところによるとこの街には100件のぶどう農家があるそうです。
今のぶどうの様子です。
ご自身の畑について丁寧な説明を受けました。この畑に行って今までと異なると思ったのは、木と木の間がとても広い事です。それは風通しと日当たりを良くして、病気に強い良いぶどうを作る為だとお聞きしました
畝と畝の間に植えられた植物も、病気や虫よけになるものを選んで植えてあるそうです。

50年間は除草剤や農薬は使っていないそうです。木の成長のために肥料は与えていると話されました。
林業を学び奥様のご実家のぶどう農家を継承されたそうです。6ヘクタールに白ワイン用、同じく6ヘクタールに赤ワイン用のぶどうを栽培されています。Alexanderさんはこの日午前中は畑仕事をして、その後私たちを迎えに来てくださったようで、恐縮してしまいました。
畑はお父様が案内をしてくださったのですが、地下にある蔵で醸造の様子は息子さんのJörnさんが説明をされました。
木の樽についても丁寧に説明をされました。現在は彼が中心に蔵を運営していると、お父様は嬉しそうに話されていました。

試飲をしましょうと案内されました。私自身はオーストリアワインに接する機会が少なく何も知らないのが現実です。私はこの日はオーストリアの代表的な品種のワインをせめて3種類を知ることが第一の目的で、沢山の内容は覚えられないと正直に伝えました。沢山伝えても混乱しますよね、と優しく納得していただきました。
ご自宅はホイリゲになっています。畑や醸造のお仕事が暇になる季節だけ運営をされているようでした。生活のリズムの取り方がとても興味深いものでした。
そして息子さんのJörnさんがウエルカムドリンクを準備してくださいました。
乾杯の後は和やかにお話をしました。後半は1歳のお孫さんとJörnさんの奥様も加わってアットホームな空気で一杯でした。山口市の観光パンフレット(英語版)と大内塗のキーホルダーをお土産に持って行きました。
日本でもゆっくりと味わいたいと思っています。終了後はまたホテルまで送って下さり、私たちのために長い1日を共に過ごしていただき感謝の気持ちでいっぱいです。
日本の皆様とWeingut Eberherrさんのワインを楽しむには沢山のハードルがあります。ゆっくりと待ちたいと思いました。

さて次回④⑤は娘家族と合流して過ごした2日間をお伝えします。