2025ドイツオーストリアの旅⑧SMW社

ゼクトを造っている蔵ザール・モーゼル・ヴィンツァーゼクト社(SMW社)へは8年ぶりにお伺いしました。メールで会社の方と交流をしているのですが、やはり直接お会いしてお話をお聞きするのが良いですね。
この会社は「自分たちの地域のぶどうを使って贅沢な飲み物を造ろうと、1983年に創業者アドルフ・シュミット氏の声掛けで始まったのです。」一本一本手造りで行う昔ながらの一番良い方法で造られているのです。
懐かしい玄関の大きなドアをヨイショッと開けて中に入ると、懐かしい蔵の香りがして嬉しくなります。お互いに元気で会えた事を喜び合いました。ともに旅をした甥夫婦は初めて蔵の中を見る事もあり「ゼクトの様子を見ますか?」とアドルフ・シュミット自ら地下室へと案内してくださいました。瓶内二次発酵とはワインが入った瓶の中に酵母を入れて、瓶の中でワインを二次発酵をさせるのです。あの綺麗な真珠のような泡はこうして生まれるのです。瓶の中の酵母の様子を実際に見ながら説明を受けました。
酵母が入った瓶から澱引き(役目を終えた酵母を取り除く)のために、伝統的な木で造られた台に入れてあります。職人さんが一本一本手で回しながら、役割を終えた酵母を瓶の口まで集めるのです私はこの風景が好きです。
地下室に沢山のゼクト瓶が並んで澱引きをされるのです。天井に目を向けると沢山の蜘蛛の巣があります。蜘蛛の巣は小さな虫たちを捕まえます。絶対にこの蜘蛛の巣を落としてはいけないと、初めて蔵に来た日に説明を受けて成程と思ったものです。
この大きな箱は酵母を瓶の口まで持っていくための機械です。機械で揺らしながら、酵母を瓶の口まで持っいくのです。
こうして機械で酵母を瓶の口まで集めたゼクトには、瓶の底に印がありません。瓶の底にこの印があると、手作業で酵母を集めたゼクトであることがわかります。
酵母(澱)が瓶の口に集まると、この機械のラインで酵母を抜き栓をして金具をかけます。
オレンジ色のライトが付いた台の上に、澱を抜く準備が出来たゼクトを乗せます。
ポンポンと大きな音を立てながら酵母が外に出されます。最終調整を終えた瓶が真ん中に立っています。
この中でコルクをして、金具をかけて出てきます。
ラベルを貼り付け、金具の上のシールをかぶせて出来上がりです。
出来上がったゼクトは箱詰めがされます。
そして最終確認です。いつもお世話になるクラメスさんが、このようにして私たちのところにも届けてくださるのです。
一通り見学が終わると2階に上がって、試飲と発注に向けての相談をしました。
画像は無いのですがゼクトは全て試飲をしました。
当店で人気の赤ワイン、こんな可愛いラベルになっていました。ウキウキします。
黒猫の座った樽が最もできが良いという、「ツェル地域の黒猫」伝説があります。当店にも黒猫ラベルのワインが人気ですが、今回この猫をお土産に頂きました。帰国と同時にお店にいます。当店の招き猫、黒猫君を見つけてくださいね。
いよいよ次回は最終回、お付き合いをいただき有難うございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2025ドイツ・オーストリアの旅⑤バッハウ渓谷

ゆっくりと市内を見学した翌日は、電車に乗ってウィーンからメルクに行きました。メルクからドナウ川クルージングをしたいと思ったのは、メルク修道院を見学する為です。1770年マリー・アントワネットがフランスのルイ16世のもとに嫁ぐ時、途中この修道院に一泊したという話を若いころ何かで読んで覚えていた事も一つの要因です。
駅を出るとすぐ目の前にメルク修道院が見えてきます。
坂道の途中は名産のアプリコットジャムやジュースなどのスタンドや、お店が沢山並んでいます。
看板を見ながらのんびりと緩やかな坂道を登っていきます。
内側に入ると華麗で壮大な建物に圧倒されました。
内部は「バロックの宝石」と言われると説明されていましたが、その通りだと思いました。
テラスから街を望み、丘の下へ降りてからも暫く見上げていました。
街を歩いていると、アプリコットジャムがたくさん販売されていました。昔からこの街の自慢の特産品なのだなと思いました。ザッハトルテなどにアプリコットジャムが使われている理由も納得するものが有りました。メルク修道院のショップにも沢山販売されていました。一番小さな瓶入りのジャム(フルーツスプレッドと表記されています)を購入しました。
「バッハウ渓谷マリレ」と表示されていました。この辺りではアプリコットを「マリレ」と呼ぶ習慣が古くからあるようです。「バッハウ渓谷のマリレ」は原産地の表記が守られているようです。あ・・・もっと大きな瓶を買って来ればよかった(^^ゞ
メルク修道院を後にして、徒歩でドナウ川下りの遊覧船乗り場に行きます。
メルクからクレムスまではドナウ川流域で最も美しいと言われています。2時間弱の船旅ですが途中デュルンシュタインにも寄ることにしました。お天気も良く景色を眺めながらの船旅となりました。
後に見えるのはぶどう畑と麓の街並みです。2日間ウィーンの旅に付き合ってくれた娘にも感謝です。ワインの産地を通ると船上でも飲みたくなりますよね。当店のお客様がライン川クルーズに行き、船内で甘いワインを飲んで以来甘いワインのファンになる方が多いのも納得します。
私たちはバッハウ渓谷で出来た辛口のワインを楽しみました。
ガイドブックに「知っておいてね」と書いてある、ウィーンのカフェには日本式の「アイスコーヒー」は存在しないという事です。メニューには「アイスカフェ」とありますが、それはアイスクリームとホイップクリームが乗ったコーヒーフロートの事です。旅のはじめからずっと共ににいてくれた彼女「私冷たいアイスコーヒーが飲みたい!」と思って注文して出されたのがこちらです。
「あ~らぁ!こんなのが出てきた」豪華で美味しそうですが、今飲みたい飲み物のイメージとは随分違っていたようです。ガイドブックにある通りだね、とみんなで楽しく話しました。
こちらは遊覧船を途中下車して少しだけ歩いたデュルンシュタインの街です、人口800人の小さな街ですがゆっくりとしたい町でした。
ワインとアプリコットのお店が沢山ありました。
小さくなりましたがブルー修道院教会の塔がきれいな街でした。
船は最終目的地のクレムスに到着しました。
ここはクレムス名産のマスタードとワインの深い関係が解るらしいのですが・・・クレムスから電車に乗ってウィーン市内に戻る予定なので、クレムス駅を探すのが目的になりました。船乗り場と駅は1.5KM離れていて地図を片手に歩きました。
駅が見えた時は、間に合った!やれやれ!が先に立ち街の様子を覚えていないのです(^^ゞ
予定通りに市内に帰り、無事にウィーンの旅を終えられた事に感謝しました。娘は帰国私たちはドイツの旅が続きます。
次は⑥フランクフルト市内を観光や、トウリァーに移動してワインの仕事の様子を書きたいと思います。