⑩愛されるワインの畑Ⅱ

地図モーゼル2フィルツエンに行きました。

とても見にくいと思いますが、Trier(トゥリア)の左下あたりです。

この畑を訪れるのは13年ぶりです。

「ホッホ~」のリースリングホッホゲヴェックスや

「ハチドリ」「シュミットセレクション“S”」で

お馴染みのワインの故郷です。

お家の直ぐ傍に、サクランボの木がって

アメリカンチェリーのような色の濃いサクランボが

たわわに実っていて、たくさん食べた記憶が蘇りました。

その向こうにぶどう畑がありました。

今回お伺いすると、サクランボの木の傍に

素敵な建物が建っていました。

小雨が降り霞んでいますが、右側はぶどう畑です。

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中に入ると皆さんの笑顔で溢れていました。

週末には地域の方たちの憩いの場所となる、

レストランが半年前にオープンしていました。

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ここでお食事とワインを戴きながら、

心に沁みるお話を伺いました。

シュミットさんは、

「喜んでお客様と接することができるか?」

「人生には自分の“するべき事”が必要だよ」

「人生の質を上げなさい」

そして「自分はケラーで働く仕事に満足をしている

生きている意味を感じている」と言われました。

最初の問いかけの、「喜んで・・・」はその通りと

答える事が出来ますが、あとの二つは

常に問いかけ続けるテーマであろうと今も思います。

その後、お客様に人気がある畑、

Wiltinger Scharzberg(ヴィルティンガー シャルツベルグ)へ

案内していただきました。

地図では左下、半分囲んである所です。

ここは広い範囲の畑である事と、

エゴンミューラー家のシャルツホフベルガーの話は

とても興味深かったです。

実は恥ずかしながら、エゴンミューラ家は

「聞いたことはある」その程度だったのです。

世界で一番高値がつく、その理由の一つが

畑の場所です。シャルツベルクの一番いい場所を

「シャルツホフベルガー」として

エゴンミューラー家は登録したのです。

そのすぐ傍の畑で出来たワインが「美味しい」と

お客様の人気となっていたのです。

ワインは「畑」と「作り手」と「品種」と言われる訳ですね。

村から少し離れたところにあるエゴンミューラ家です。

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「グリーンのボトルのあのワイン」のお話は

明日にします。

⑨愛されるワインの畑Ⅰ

     地図モーゼル1           コッヘムのすぐ左隣にBremm(ブレム)村があります。

人口は850人の小さな村です。

ここのベルンマ・カルモントという畑は

世界で一番の急傾斜地のぶどう畑です。

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少し離れるとこのような畑の風景です

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当店では「世界一急傾斜地のワイン」としてお馴染みです。

アウスレーゼのファインハーブは

お友達とあるいはご家族と共に

少しだけ贅沢をしたい時に買って戴いています。

傾斜が60度と言っても信じていただけず

ましてや場所によっては68度は「本当ですか?」と言われます。

近くに寄って写真を撮ろうとしても、その傾斜を

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どのように撮影をすれば、理解できるか悩みました

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作業用の台車モノレール(現地の表現)に乗ろうにも

怖くて後ろにのけ反ってしまいます。

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この小さな村のワインはユーロ圏の中でも人気のワインです

村の人たちは誇りを持って、ぶどうを栽培してワインを造っています。

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対岸の風景ですが、なだらかな様に見えますが急傾斜です

一番の急傾斜地で作業をする人でも、この畑の作業中に

怪我や命を落とす人もあるそうです

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車道と川の間には自転車専用道路があります

皆さん思い思いに自分の時間を過ごす

休暇村としても有名です。

そして村の中心部のお店に行くと

観光バスも来て賑わっていました。

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量り売りで買うシステムが今もきちんと残っています

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誇りの持てる仕事とは・・・至る所にヒントが隠されている気がしました。

ここからは地図の下側Zellに移動します。

ここは定番となっている、通称「株主ワイン」の畑です

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この風景とワインの伝統を守るために、

生産者組合が1997年世界中の

賛同者を集めて基金が立ち上がりました。

23か国から850人が出資しています。

そのうち450人は日本人です。

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このような歴史のワイン畑は、5年ぶり3回目の訪問です。

少し甘いワインときりりと辛口のワイン、ともに和食に合い

お馴染みの「株主ワイン」です。

この畑とこの風景、何時まで見ていても飽きません。

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シュミットさんの目が急に厳しくなって

さっさと下の畑に降りて行かれました

とても気になる個所があったそうです。

指示を出したり、相談をされていました

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私は畑に入ってから、気になっていた事を質問しました

茶色でぶら下がったもの、これは何ですか?

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これは害虫から木を守るために、生物から取った物質が入っていて

害虫が寄り付かない為に下げているそうです

農薬などを避けるための対策という事を知りました。

少し怖かったのですが、ここでは作業車に乗ってみました

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この位なら大丈夫だけれど・・・揺れると怖いです^^;

ここから車を少し走らせて、橋を渡ると

トラーベン・トラバーチという街に出ます

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川に面してホテルが建ち、

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のんびり街の雰囲気を楽しみました

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こちらのクラシックカーは、結婚式の時に活躍するそうです

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ここから車でほんの数分走ると、

突然この大きな看板がありました

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このワイン畑のすぐ傍に建設される、

高速道路建設の説明板です。

反対運動がたくさん起きましたが、建設は進んでいます

振り返ると左側から右側に向けて建設中の

道路と橋脚を見ることができます。

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日本の現実と、ドイツで見る事実を反芻しました。

そして看板の直ぐ傍に、

何と来てみたかった畑がありました。

2000年前ローマ人が最初にぶどうの木を植えて

ワイン造りをしたその地です。

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小さな看板があり、言われないと判らないほど

ひっそりとしていました。

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看板の下には沢山な種類のハーブが植えてありました。

当時は醸造技術が確立されていなくて

ワインは美味しくなかったようです。

そこで当時の人たちは、ワインにハーブを入れて楽しんだそうです。

振り返ったり、見上げたりしながら

2000年の時の流れと、人の営みに思いを巡らせました。

ここからは一気に車を走らせて

モーゼル川上流から支流のザール川地方に入ります。

そこには「ハチドリ」が描かれたエチケットのワインや

「ホッホ~」でお馴染みのワインの故郷です。

では次回に・・・。