⑪愛されるワインの畑Ⅲ

地図モーゼル2        今日訪問した場所は、トゥリァーの右側

ぐるり!と無造作に印をした場所です。

Mehring(メーリング)という街です。

畑から街を見下ろすと、こんな感じです。

DSCN5281

人口は2,200人です。

この街にワイングート セバスティァニさんという方がいらっしゃいます。

当店ではヴァイサーブルグンダーやグラウブルグンダーを

販売していて、とても人気があります。

今回お会いする事が出来ました。

この方です、瓶に記憶がある方もおありだと思います。

ipadデータ2014.8.10 106

家の歴史とご家族の事、ご自身の畑の事、

ご自宅をホテルになさっている話など

沢山話してくださいました。

仕事としてぶどうを栽培してワインを造る以外に

まったくの趣味で、たった3列だけ道楽のぶどうを栽培し

ワインに仕立てたらとても美味しく仕上がった事

そしてそれは手入れにとても時間がかかり

息子さんと二人で5時間もかかった話を

嬉しそうに話され、私たちにご馳走してくださいました。

「さあ!畑に案内しよう!」と奥様と共にバスケットに

ご自慢のワインを入れて出かけました。

畑が一番よく見える頂上は、ワインの仕事をリタイアされた方たちが

ボランティアで公園として整備されたそうです。

  DSCN5275

それぞれの過ごし方をされています。

私が一人でこれは良い!!と喜んだのは

中央の樽の真ん中のグリーンのポールです。

こうなってますヽ(^。^)ノ

DSCN5285

さすがドイツ人、すごく安定がよく、いい仕事です。

自宅の古い道具を持ち寄り、ワインの歴史もわかります。

DSCN5276

この方たちは、若い頃からのお仲間で、今日はケーキを焼いて

ピクニックだそうです。お茶とケーキとテーブルクロス・・・。

ワインもごちそうになるよ「乾杯!!」

DSCN5279

ここから眺める風景は世界一で

神が与えたものだと思う、と話されました。

ドイツに入って、ずいぶん増えたと感じていた風車ですが

ここにも建設の計画が持ち上がっているそうです。

DSCN5601

自分はこの風景を守るために、絶対に反対していく

昔の暮らしを守りながら、風景も守りたいと・・・。

しかし建設すると国からお金が出るので、町は潤うのだと

何処の国も同じだなと感じました。

ぶどう畑の傍には、ベリーの木が沢山ありました。

「美味しいわよ、いっぱい食べてね」

DSCN5610

果物でジャムを作ることが大好きな私は、

ここはパラダイスだと、思わずには居れませんでした。

そして、なんぼでも飲んでいます。

DSCN5287

ぶどうの作業も見学しました。

今の作業は、ぶどうの実が割れないように

10日に一度手入れをするそうです。

DSCN5604

打ち合わせをして

DSCN5290

きりりと引き締まった顔をして

DSCN5605

手に道具を持ち、あっという間に急こう配の畑を

下りながら作業を進め、その姿は見えなくなりました

DSCN5608

美味しいワインは、人の手で丁寧に魂を込めて

大切に造られている事を、しみじみと感じます。

昔ながらの伝統を守る事の難しさの

葛藤も垣間見えました。

こういう方たちとお話をしていると

生活の基本をもう一度見直さなくてはと、

恥じ入る我が身です。

さて旅日記も終盤、次回は最終回お世話になっている

シュミットさんのケラーに行き、方向をつかんだ私です。

⑨愛されるワインの畑Ⅰ

     地図モーゼル1           コッヘムのすぐ左隣にBremm(ブレム)村があります。

人口は850人の小さな村です。

ここのベルンマ・カルモントという畑は

世界で一番の急傾斜地のぶどう畑です。

DSCN5143

少し離れるとこのような畑の風景です

DSCN5447

当店では「世界一急傾斜地のワイン」としてお馴染みです。

アウスレーゼのファインハーブは

お友達とあるいはご家族と共に

少しだけ贅沢をしたい時に買って戴いています。

傾斜が60度と言っても信じていただけず

ましてや場所によっては68度は「本当ですか?」と言われます。

近くに寄って写真を撮ろうとしても、その傾斜を

DSCN5451

どのように撮影をすれば、理解できるか悩みました

DSCN5137

作業用の台車モノレール(現地の表現)に乗ろうにも

怖くて後ろにのけ反ってしまいます。

ipadデータ2014.8.10 092

この小さな村のワインはユーロ圏の中でも人気のワインです

村の人たちは誇りを持って、ぶどうを栽培してワインを造っています。

DSCN5146

対岸の風景ですが、なだらかな様に見えますが急傾斜です

一番の急傾斜地で作業をする人でも、この畑の作業中に

怪我や命を落とす人もあるそうです

DSCN5456

車道と川の間には自転車専用道路があります

皆さん思い思いに自分の時間を過ごす

休暇村としても有名です。

そして村の中心部のお店に行くと

観光バスも来て賑わっていました。

DSCN5463

量り売りで買うシステムが今もきちんと残っています

DSCN5150

DSCN5149

誇りの持てる仕事とは・・・至る所にヒントが隠されている気がしました。

ここからは地図の下側Zellに移動します。

ここは定番となっている、通称「株主ワイン」の畑です

DSCN5153

この風景とワインの伝統を守るために、

生産者組合が1997年世界中の

賛同者を集めて基金が立ち上がりました。

23か国から850人が出資しています。

そのうち450人は日本人です。

DSCN5158

このような歴史のワイン畑は、5年ぶり3回目の訪問です。

少し甘いワインときりりと辛口のワイン、ともに和食に合い

お馴染みの「株主ワイン」です。

この畑とこの風景、何時まで見ていても飽きません。

DSCN5155

シュミットさんの目が急に厳しくなって

さっさと下の畑に降りて行かれました

とても気になる個所があったそうです。

指示を出したり、相談をされていました

DSCN5485

私は畑に入ってから、気になっていた事を質問しました

茶色でぶら下がったもの、これは何ですか?

DSCN5486

これは害虫から木を守るために、生物から取った物質が入っていて

害虫が寄り付かない為に下げているそうです

農薬などを避けるための対策という事を知りました。

少し怖かったのですが、ここでは作業車に乗ってみました

DSCN5476

この位なら大丈夫だけれど・・・揺れると怖いです^^;

ここから車を少し走らせて、橋を渡ると

トラーベン・トラバーチという街に出ます

DSCN5508

川に面してホテルが建ち、

DSCN5510

のんびり街の雰囲気を楽しみました

DSCN5167

こちらのクラシックカーは、結婚式の時に活躍するそうです

DSCN5512

ここから車でほんの数分走ると、

突然この大きな看板がありました

DSCN5169

このワイン畑のすぐ傍に建設される、

高速道路建設の説明板です。

反対運動がたくさん起きましたが、建設は進んでいます

振り返ると左側から右側に向けて建設中の

道路と橋脚を見ることができます。

DSCN5522

日本の現実と、ドイツで見る事実を反芻しました。

そして看板の直ぐ傍に、

何と来てみたかった畑がありました。

2000年前ローマ人が最初にぶどうの木を植えて

ワイン造りをしたその地です。

DSCN5519

小さな看板があり、言われないと判らないほど

ひっそりとしていました。

DSCN5171

看板の下には沢山な種類のハーブが植えてありました。

当時は醸造技術が確立されていなくて

ワインは美味しくなかったようです。

そこで当時の人たちは、ワインにハーブを入れて楽しんだそうです。

振り返ったり、見上げたりしながら

2000年の時の流れと、人の営みに思いを巡らせました。

ここからは一気に車を走らせて

モーゼル川上流から支流のザール川地方に入ります。

そこには「ハチドリ」が描かれたエチケットのワインや

「ホッホ~」でお馴染みのワインの故郷です。

では次回に・・・。