⑨愛されるワインの畑Ⅰ

     地図モーゼル1           コッヘムのすぐ左隣にBremm(ブレム)村があります。

人口は850人の小さな村です。

ここのベルンマ・カルモントという畑は

世界で一番の急傾斜地のぶどう畑です。

DSCN5143

少し離れるとこのような畑の風景です

DSCN5447

当店では「世界一急傾斜地のワイン」としてお馴染みです。

アウスレーゼのファインハーブは

お友達とあるいはご家族と共に

少しだけ贅沢をしたい時に買って戴いています。

傾斜が60度と言っても信じていただけず

ましてや場所によっては68度は「本当ですか?」と言われます。

近くに寄って写真を撮ろうとしても、その傾斜を

DSCN5451

どのように撮影をすれば、理解できるか悩みました

DSCN5137

作業用の台車モノレール(現地の表現)に乗ろうにも

怖くて後ろにのけ反ってしまいます。

ipadデータ2014.8.10 092

この小さな村のワインはユーロ圏の中でも人気のワインです

村の人たちは誇りを持って、ぶどうを栽培してワインを造っています。

DSCN5146

対岸の風景ですが、なだらかな様に見えますが急傾斜です

一番の急傾斜地で作業をする人でも、この畑の作業中に

怪我や命を落とす人もあるそうです

DSCN5456

車道と川の間には自転車専用道路があります

皆さん思い思いに自分の時間を過ごす

休暇村としても有名です。

そして村の中心部のお店に行くと

観光バスも来て賑わっていました。

DSCN5463

量り売りで買うシステムが今もきちんと残っています

DSCN5150

DSCN5149

誇りの持てる仕事とは・・・至る所にヒントが隠されている気がしました。

ここからは地図の下側Zellに移動します。

ここは定番となっている、通称「株主ワイン」の畑です

DSCN5153

この風景とワインの伝統を守るために、

生産者組合が1997年世界中の

賛同者を集めて基金が立ち上がりました。

23か国から850人が出資しています。

そのうち450人は日本人です。

DSCN5158

このような歴史のワイン畑は、5年ぶり3回目の訪問です。

少し甘いワインときりりと辛口のワイン、ともに和食に合い

お馴染みの「株主ワイン」です。

この畑とこの風景、何時まで見ていても飽きません。

DSCN5155

シュミットさんの目が急に厳しくなって

さっさと下の畑に降りて行かれました

とても気になる個所があったそうです。

指示を出したり、相談をされていました

DSCN5485

私は畑に入ってから、気になっていた事を質問しました

茶色でぶら下がったもの、これは何ですか?

DSCN5486

これは害虫から木を守るために、生物から取った物質が入っていて

害虫が寄り付かない為に下げているそうです

農薬などを避けるための対策という事を知りました。

少し怖かったのですが、ここでは作業車に乗ってみました

DSCN5476

この位なら大丈夫だけれど・・・揺れると怖いです^^;

ここから車を少し走らせて、橋を渡ると

トラーベン・トラバーチという街に出ます

DSCN5508

川に面してホテルが建ち、

DSCN5510

のんびり街の雰囲気を楽しみました

DSCN5167

こちらのクラシックカーは、結婚式の時に活躍するそうです

DSCN5512

ここから車でほんの数分走ると、

突然この大きな看板がありました

DSCN5169

このワイン畑のすぐ傍に建設される、

高速道路建設の説明板です。

反対運動がたくさん起きましたが、建設は進んでいます

振り返ると左側から右側に向けて建設中の

道路と橋脚を見ることができます。

DSCN5522

日本の現実と、ドイツで見る事実を反芻しました。

そして看板の直ぐ傍に、

何と来てみたかった畑がありました。

2000年前ローマ人が最初にぶどうの木を植えて

ワイン造りをしたその地です。

DSCN5519

小さな看板があり、言われないと判らないほど

ひっそりとしていました。

DSCN5171

看板の下には沢山な種類のハーブが植えてありました。

当時は醸造技術が確立されていなくて

ワインは美味しくなかったようです。

そこで当時の人たちは、ワインにハーブを入れて楽しんだそうです。

振り返ったり、見上げたりしながら

2000年の時の流れと、人の営みに思いを巡らせました。

ここからは一気に車を走らせて

モーゼル川上流から支流のザール川地方に入ります。

そこには「ハチドリ」が描かれたエチケットのワインや

「ホッホ~」でお馴染みのワインの故郷です。

では次回に・・・。

⑧モーゼルの歴史を垣間見て

        モーゼル地域の旅は、シュミットさんが案内をしてくださいました

見学したい畑は事前に伝えていました。

初日のスタートは、コッヘム城でお祭りがあるので

先ずはお城を見にコッヘムへ行くことになりました。

地図はこちらですが、滞在しているトゥリアーは

地図の左端で切れています

地図モーゼル1

Burg  Cochem(コッヘム城)はご覧のとおりの山城です

DSCN5108

約1000年前からありますが、その歴史はライン河やモーゼル河の

多くの城がたどった歴史と同じく、フランス軍によって破壊されます。

1868年から約10年かけて廃墟が再興されました。

1978年以降はこの古城はコッヘム町民の所有です。

山城を登っていく途中には、中世の様子を知らせる

コーナーがありとても興味深い事でした。

組み紐を織っています

DSCN5105

戦いのコーナーは甲冑や

DSCN5106

槍の使い方もありました

DSCN5107

沢山のコーナーで一番私が興味深かったのはこちらです

こんな大きな鞴(ふいご)ははじめて見ました

DSCN5133

熱くなった鉄は、トントントンと打たれて道具になっていきました

DSCN5135

暫らく見とれながら“村の鍛冶屋”の歌がグルグル回りました。

帰国後改めて、“村の鍛冶屋”の歌詞を読みなおしたほどです。

そしてこちらは美味しいナッツのおやつです。

DSCN5111

お城の入り口でお会いしたお二人、

左側は私たちを案内してくださっているシュミットさん

右側は現在の城主さん、ともにワイン醸造家です。

DSCN5115

お城のすぐ下には、ぶどう畑が広がります

DSCN5113

城の上からの眺めは、交通の要所としての役割や

DSCN5366

人々の暮らし、ぶどうの様子など手に取るように解ります

DSCN5126

お城の見学をしましたが、ワイン屋として

特に印象に残った場所をご紹介します

戦利品の様に獣が壁に掛けてあることから解るように

「狩猟の間」です。

DSCN5391

その部屋に綺麗なステンドグラスがありました

ブッシェンシャイベンと言われる初期の円盤ガラスです

DSCN5123

その前に置かれている、錫の取っ手付き壺です。

これは中世の騎士の一日分のワインが入れてあった壺です。

昔のドイツ人は1年間に一人当たり

平均160Lのワインを飲み、今は24Lそうです。

DSCN5393

お城とワインの歴史を見て、コッヘムの街からお城を見上げました。

DSCN5136

さて次は、実際の畑を見学します。