モーゼル地域の旅(後半)

   やっと後半部分になりました。

フランクフルト空港で山口日独協会の皆様と

お別れをした後は、コブレンツへ向かいました。

コブレンツの町の概要は ↓ ↓ ドイツ観光局のサイトがありました。

http://www.germany.travel/jp/towns-cities-culture/towns-cities/koblenz.html

ライン川沿いの景色に添って走りますので

車窓から、ライン川下りをしている気分になれます。

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ローレライの岩も見ることができます。

一瞬の事で、何時もこのタンクが画像に入るのです(>_<)

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一時間少々で、コブレンツに着きます。

この街は歩いて回れる場所ですから、駅前のホテルに荷物を置いて

散歩をすることにしました。明るいのですが、夕方の6時頃です。

ドイツでは、父なるライン、母なるモーゼルと言われます。

この街は、ライン川とモーゼル川が合流する地点にあります。

「ドイチェスエック」ドイツの角と

呼ばれる地点まで、駅から歩いて20分程度の場所にあります。

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右側がライン川、左側がモーゼル川になります。

少し離れてみるとこんな感じです。

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そしてライン川方向に回ってみると、対岸に向けて

ロープウェイがかかっています。

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20年前に来たときには、無かったのですが・・

対岸には時間をかけて、見るべき施設があると思います。

昔からここは交通の要所でした。

一回りしてホテルのテラスで夕食です。

何だかそろそろパスタでも・・・の気分です。

メニューを見て、あっさりイメージが掴めたのが

定番のこちらです。一人では食べきれませんので

トマトサラダも注文して、それぞれをシェァーして頂きます。

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たいていの場合パンもついてきます。

翌日は朝早く出発して、列車で一時間半ほどモーゼル川沿いを走り

トウリーアに向かいました。

何時ものホテルに荷物だけ預けて、

さらに列車で一時間のルクセンブルクに出かけました。

目的は世界遺産に指定されている、旧市内の要塞都市を見学するためです。

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ルクセンブルクはフランス、ドイツ、ベルギーに囲まれた

神奈川県ほどの面積の小さな国です。

旧市内の中心地に王宮が有ります。

こちらですが、王様が執務中は国旗が掲げられますが、

本日はお休みですね。

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ルクセンブルクに行くと、ドイツの知人に話したら

貴女のお店とお同じような名前の、お菓子屋さんがありますよ

そのお店は何でも美味しくて、王宮御用達ですよ。

探してみてね(^^)・・・一生懸命に探して見つかりました。

写真は撮り忘れました^^;

商品も店舗も綺麗で、繊細で、スタッフの方は親切でした。

お店のホームページをリンクしておきます。

http://www.oberweis.lu/

お土産はボンボンにしました。

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 食べ物の話題からもう一つ、羽田空港や二子玉川で見慣れた看板

旅先でお腹が空いているときに見つけると、吸い寄せられてしまいます。

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戴いたメニューはクラブサンドイッチとハンバーガーです。

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マダム、パードン、シュルブプレ・・そうだここはフランス語でした。

さてさて・・翌日はSMW社社長さんで、

私たちを20年以上見守って下さっている、

シュミットさんの運転でモーゼル川沿いの畑見学に行きました。

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目的地に着くまでに、さまざまなお話を聞かせてくださいました。

一年間に一人当たりどの位ワインを飲むか・・。

フランス・スペイン・イタリアは60リッター

ドイツは25リッター、日本人は4リッター、韓国人は1リッターだそうです。

ローマ人は何と150リッターも飲んだのだそうです。

しかしローマ人は鉛のカップでワインを飲んだのが失敗だったそうです。

そんな話をしながら到着したのがZELLです。

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出迎えはこんな楽しそうな車でした。

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中はこんな感じで、丸い穴は・・言わなくても判りますよね。

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車を運転して連れてきて下さった方は、マティアスさんです。

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この畑は当店のおなじみの1本、「株主ワイン」の畑です。

管理をしてくださっている方がマティアスさんです。

今年の畑はとても良いそうです。

これから雹が降らない事を願っていると言われていました。

見晴らしのいいところで一休みしよう(^^)

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「何時も食べている食事です、私が用意しました。

食べて・食べて・飲んで・飲んで・・」と勧められて・・

何時もの見慣れた、ラベルのワインが出てくると

本当に嬉しいですし、お客様にお話をする自信もつきます。

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あの株主ワインは、このような風景と、人たちに守られて

私たちの所に届きます。

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そしてまたお食事の話題で恐縮ですが、

この後、これを頂きました。

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コロッケのようなものと聞いて理解をしたのですが・・

Brat(焼く)とBlut(血)を混同したかな・・

一瞬ビックリしましたが。

これがなかなかに美味しかったのです。

付けあわせは玉ねぎのフライです。

お腹も満たされて次に向かった畑は

対岸はルクセンブルクというの国境の町ニッテルです。

Hellershof-Zillikenという醸造所があります。

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レストランとホテルが併設されていますが、

私たちはこの天井の梁を見て1997年の日の事を思い出しました。

厨房でお手伝いをしていた当時高校生の男の子が

お父さんとお母さんに「この仕事が終わったら、ワインを飲ませてよ」と

その会話がとても印象的に残っていました。

その思い出話をお母さんにすると・・こんな話をしてくださいました。

「2003年学生だった息子のパトリックに、チリケンの後継人は

お前がならなといけない。自分でぶどうを育ててパトリックの

ワインを造れ。今の若者は混ぜた、甘いお酒を飲んでいる。

ワイン関係者ではない一般の友人に飲んでもらえるワインを造りなさい。」

そう言われて出来上がったワインが、Elbling Filius feinherb だそうです。

「今では沢山の人が飲んでくれて、今日はベルリンで開催されている

メッセに出かけています。結婚をしてパパになりました。」

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お話を聞きながら、沢山のワインを試飲しました。

物語と共にこのワインも沢山入荷します。

裏の畑でお母さんと写真を撮りました。

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お母さんは「日本から来て下さった、

あの日のあなた達の事はとてもよく覚えています。

あの日は雨が降っていました、でも皆さんは畑に行って

見学をしていました。」・・・・そうでした!あの日は雨でしたね。

沢山のお客さまでレストランは賑わっていました。

黄色いナンバープレートはルクセンブルクの車です。

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さてそれからはモーゼル川の支流ザール川に向かいました。

当店で人気の通称「ハチドリワイン」のふるさとです。

シュミットさんの家族と畑とレストランがある場所です。

このお顔は、お祖父ちゃんの嬉しそうな顔ですね。

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お孫さんのサーラちゃんが、

この地域のワインの女王に選ばれたそうです。

これからモーゼル全体の審査があるそうです。

ここのレストランも週末だけのオープンです。

この日は町長さんやお友達が楽しく集っていました。

「私たちが何時も飲んでいる、一番美味しいワインを

日本の皆様にも紹介してね。」

盛り上がって沢山のお話を聞きました。

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向かって左端がシュミットさんのお嬢さんのご主人、サーラちゃんのパパです。

世代を繋いでいくワイン屋さんの素敵な家族と

たくさん触れ合う事ができた実りある一日でした。

私たちをホテルまで見送って下さる、その最後に

「そうだそうだ、食べさせたいものがある・・」

庭の畑の青りんごをお土産にもぎ取ってくださいました。

ワインの味の表現に「熟した青りんご」という言葉があります。

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ホテルのお部屋で、モーゼルの風景と風を思い出しながら

美味しくいただきました。

2015年ドイツの旅はこれでおしまいです。

でも・・私たちにとって今回ほど沢山の

ハプニングの旅も珍しいです。

番外編「ハプニング集」をお届けします。

 

ワイン屋の視点でもう一度

山口日独協会の皆様とお別れして、トウリーアに向かいましたが

皆様とご一緒している間にも、ワイン屋としてのお知らせや

食や生活一般に関する気付きが沢山ありました。

ランダムにピックアップしてみたいと思います。

約一週間滞在したマルクトハイデンフェルド市は

人口が約1万5千人程度の町です。

中心部に教会や市場がある普通のドイツの町です。

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週に一度近郊の農家から新鮮な農産物が届けられる

市場が開かれます。

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直ぐ傍にはビール工場があり、地域の人たちが

私の町のビールとして楽しみます。

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出されるお料理は、たいていは地元で出来たものばかりです。

私が注文したのは、この地域の有名なブラートブルスト(焼きソーセージ)と

じゃがいものサラダです。

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画像には無くて残念ですが、ヴァイスブルスト(白いソ-セージ)

日本のお豆腐と同じで、つくりたてが一番といわれます。

生活全般の品を扱うスーパーがありますが

BIO商品が同じ棚に並べられてあります。

一番驚いたのはバナナです。

BIOバナナははじめて見ました。

(共同購入は別です)

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BIOだからと言って特別に高価格にはなっていませんでした。

専門店もたいていの町にあります。

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化粧品から新鮮野菜まで生活用品が、たいてい揃っています。

勿論BIOワインも販売しています。

自由時間はこのような商品を買ってきて

ホテルのお部屋で食べました。

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これにパンやソーセージ、グリルしたチキンなどです。

そうそう・・・スーパーでは貴重な体験をしました。

お水は必需品で結構購入します。

その際のペットボトルの返却について、レジで質問をしました。

レジの担当者さんは、丁寧に付き添って教えてくださいました。

ぺットボトルは、スーパー一角のこの機械に入れます。

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機械の中ではペットボトルの大きさを分別しています。

つぶしたり、ラベルを剥がしたりしないでそのまま入れます。

すると右下の四角いところから、レシートが出てきます。

チョッとピンボケしていますが^^;

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€1のレシートですから、お買い物の合計から€1引いてくれます。

今日のレートで言えばⅠユーロ約138円です。

お買い物から引いてくれるとなると、頑張ってしまいますね。

個人の責任の範囲で解決しますから、

古紙・ペットの日の町内会のお当番は無い訳ですね。

因みに消費税は、付加価値税と軽減税になっています。

最大税率は19%です。スーパーでお買い物をしても

それぞれ税率が違います。(複雑なのでこの辺で・・)

ワイン販売をしている者としては、ぶどう栽培の方法も気になります。

この畑はホテルのオーナーさん一家が所有している畑です。

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虫・病気などに対して、農薬散布についても質問がありました。

この畑で農薬をまくと、畑に留まるのは約50%で

残りの50%の農薬は、向こうに見える小麦畑に流れていきます。

だから農薬は撒いてはいけないと・・・。

足元に残されている草は、畑に見合った

コンパニオンプランツを植えているのだそうです。

別の畑でもこんな工夫をして、蜂を集めていました。

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そして作業はこのようにすべて手作業です

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このようにして大切に育てられた、ぶどうから出来たワインを

その畑で戴くヽ(^。^)ノ 最高の贅沢ですね。

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この畑のワインの品種は、ここだけでしか栽培されていないそうです。

非常に栽培の少ない、エーレンフェルザー種です。

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繊細でエレガントです。クリスマス頃に皆様と頂ける予感(^^)

大きな町ヴュルツブルグとフランクフルトでの出来事です。

ヴュルツブルクでは、世界遺産のレジデンツ見学をしました

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そのすぐ傍にあるのがヴュルガーシュピタール社です。

当店のシルバーナー種やバッカス種が人気のあの醸造所の玄関です。

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これと同じような醸造所が、すぐ傍にあり

日本にもたくさん入ってきている、ユリウスシュピタール社です。

どちらも数百年の長い歴史のある醸造所です。

聖なる施療院の名のごとく、ワイン醸造所と病院・養老院が併設されています。

ユリウスシュピタールの玄関です↓

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立派な建物です。ここが病院と養老院です。

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ピンクの建物が醸造所です。

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街の成り立ちと、市民の生活は密接な関係にあります。

さてさて前半最後はフランクフルトでのお話です。

素敵なフランケンワインの故郷を歩いたわけですが

このフランケンワインをこよなく愛した有名人がいます。

当店でもおなじみの、ディヒタートラウム(詩人の夢)シリーズのゼクトの

あのお顔の詩人とは・・・そう!文豪ゲーテの事です。

ゲーテは1806年にイエナ市から、妻宛てにこんな手紙を送っています。

「いつもの気に入りのワインがなくなると、私はとても不機嫌になる。

他のワインでは口に合わないのだ。

どうかもう少しヴュルツブルガー(ヴュルツブルクのワイン)を送っておくれ」

「私には時間がない、まずいワインを飲んでいる時間はない」

そんな手紙を書くゲーテを少しでも理解するために

フランクフルトの「ゲーテハウス」に行って来ました。

これがお家です。

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彼がゲーテです(1749年~1832年)

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こちらがお台所

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こちらが室内の調度品です

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こちらは外にある井戸から、水をくみ上げるポンプです

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彼は裕福な恵まれた家庭で育った、類い稀な才能を持った人であることが

ゲーテハウスを訪れる事で、理解ができました。

ゲーテも愛したフランケンワインの

新たな仲間が当店にも加わります

彼がその力を貸してくれました

こうご期待です。

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さて・・・これからモーゼル方面へ出かけます(^^)